ロシアによるウクライナ侵攻の報道が連日為されています。
死の恐怖に曝されているウクライナ国民の皆様に一日も早く
平穏な日常が戻ることを願うばかりです。
作家の佐藤優氏は週刊新潮誌上でプーチン大統領の理屈を
絵解きされていましたが、どんな理由があれ氏が書いている様に
「ロシアの行為は全く是認できるものではありません。」
しかし、今回の軍事侵攻で様々感じた事があります。
一つには「『うるせぇ、ゴン!』で解決」
(砂川文次氏:第166回芥川賞受賞者のインタビューより)
という思考回路の人がいるということ。
もう一つは今回の軍事侵攻を即座に止める方法が無いということ。
(経済制裁や非難の演説を繰り返している間にも戦闘は続いている)
そして最も重大な事は「やったもん勝ち」の結果になりはしないかという危惧です。
全面核戦争への恐れからNATOやアメリカが軍事力を行使出来ないのを
見越してロシアが当初の目的を達成し快哉を叫ぶのではないかという恐れです。
もしそうなれば後で各国が言葉の限り非難したところでごまめの歯ぎしり、
ロシアは馬耳東風でしょう。
そしてもっと悪いのはロシア同様「軍事力による現状変更」を
試みようと企図している国々に勇気と安心感を与えてしまいかねない事です。
正に「なーんだやったもん勝ちじゃないか」
と思われてしまうんじゃないか。
それが何より不安です。
最後にこれも今回気が付いた最大のパラドックスです。
「核抑止力はロシア側に有利に働いている」ということ。
つまり核戦争の可能性をちらつかせればやりたい放題出来るという
核兵器を持ち合うことで平和が保たれる
「核抑止力による平和均衡」の幻想が揺らいだ出来事でもありました。
いずれにしろ一日も早くかの地に平和が訪れることを祈るばかりです。